2013年4月17日水曜日

反復唾液嚥下テスト RSSTの方法と誤嚥の有無について




反復唾液嚥下テスト(RSST)

「方法」
検者は被検者の喉頭隆起・舌骨に指腹をあて,30秒間嚥下運動を繰り返させる。
被検者には「できるだけ何回も”ごっくん”と飲み込むことを繰り返して下さい」と説明する。
喉頭隆起・舌骨は、嚥下運動に伴って、指腹をのり越え前方に移動し、また元の位置に戻る。
この下降運動を確認し、嚥下完了時点とする。
嚥下運動時に起こる喉頭挙上→下降運動を触診で確認し、30秒間に起こる嚥下回数を数える。
高齢者では、30秒間に3回できれば正常とする。

「反復唾液嚥下テスト( repetitive saliva swallowing test , RSST )の注意点」
嚥下障害患者では,1回目の嚥下運動はスムーズに起きても、
2回目以降、喉頭挙上が完了せず、喉頭隆起・舌骨が上前方に十分移動しないまま、
途中で下降してしまう場合がある。
これを真の嚥下運動と鑑別することに注意を要する。
口渇が強く、嚥下運動を阻害していると考えられる患者には、
人工唾液(サリベート)や少量の水を口腔内に噴霧し、同時にテストを施行する。
また、30秒では嚥下運動が観察されない場合には、観察時間を1分に延長する。
観察時間の延長は、重度嚥下障害の経時的変化を追跡する場合に有用である。  
st-medica:反復唾液嚥下テスト より)

30秒間で3回未満では、誤嚥している可能性が高い
・VFとの妥当性の相関関係は、誤嚥(誤嚥量、誤嚥頻度)で0.981、不顕性誤嚥で0.976と高い相関関係を示していて、誤嚥の有無を判別できる

機能的摂食・嚥下障害スクリーニングテスト「反復唾液嚥下テスト」の開発と応用:藤田学園学会誌2004   

反復唾液嚥下テスト RSSTは嚥下の簡易評価として多くの現場で用いられています。
介護予防分野では、口腔機能向上支援のアセスメントとしても使われます。
RSSTが3回未満であると誤嚥している可能性があり、
誤嚥性肺炎の発症につながっていくことを示唆しています。

口腔機能訓練などのアプローチを行なう前と後をRSSTで評価することにより、
RSSTが30秒間に3回未満だった方が3回以上に改善すれば、
誤嚥している可能性は低くなり、誤嚥性肺炎のリスクは減少、
誤嚥性肺炎を予防できることにつながります。

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